不見天/木城圭美
朝霧のなか
清らかな水を蓄えて
ただただじっと待っている
ひかりさす僅かな時を
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この度は 茶会/岩茶を飲む会 にご参加いただいたみなさまありがとうございました。
立春を迎えた陽射しは、隠居さんの枯れた冬の庭をやわらかく照らして、地面の下にあるものを目覚めへと導いているように思えました。
あたたかな室内の円卓の間から見える空の青、音無く揺れる笹の葉の眺めに目が喜びます。
春を待つ景色を眺めながらみなさまと茶の時間が過ごせましたことを心から幸せに思います。
今回お淹れしたお茶です。
●不見天
●鳳凰水仙
●梅占2011
●肉桂
●大紅袍
そして、お菓子は、隠居さんからのコメントです
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岩茶のお茶うけは、
岩茶にうけて頂くお菓子として
あまり考えず
気負わず作れるコトを楽しめる
今回のお菓子は
●酒粕ミルク
先づはカラダを温めて頂く為に、ミルクに少し酒粕を溶いて、温かいうちにお召し上がり頂きました。苺やチップスなどを入れてお楽しみ頂きました。
●紫豆と金柑の寒天よせ
今回のお茶会の萌えポイントの岩茶『不見天』
唯一、お茶に寄り添って妄想をして作ったお菓子
朝の一筋の光を待ち望むお茶へ
朝靄の中、岩壁の隙間から差し込む光を一身に受ける茶葉をイメージしました。
●サツマイモチップス
素朴で、あと引くチップスです
●酒粕クッキー
隠居の大好物
●オールプルーン
米粉のビスケット生地に、プルーンをたっぷりいれて、焼き上げました。
岩肌をイメージしたお菓子
●ザクロとポンカンのブリュレ
ポンカンとザクロのコンポート入りブリュレ
ザクロの酸味と濃厚なブリュレの相性が良かったなと
肉桂との組み合わせが隠居好み
●ほうじ茶と柿のマカロン
焙じた緑茶をマカロンの生地へ
柿のシャーベット入りのチーズクリームをサンド
●ザッハトルテ
チョコレートのグラスはしっかりしゃらせて。古典レシピのしっかり甘いザッハトルテ。
杏と、柚子のジャムがアクセント
自画自賛のケーキ
岩茶はしっかり受け止めてくれました
今回、とにかく岩茶が美味しくて。
いつもお客様にご感想を頂くのですが、皆様「一番を選べない」と。
全て、キャラクターの違った素晴らしいクオリティの岩茶でした。
そして、今回は妄想の時間も惜しみ、ただただお茶に気を注いで下さったメイクイさんのエネルギーが伝わり、全てにおいて、感動的な岩茶でした。
とてもとても美味しかった。
木城圭美さんの絵も
今回は新作の「ろうけつ染」の作品もあり、進化し続け、いつも楽しませてくれる彼女へ、心からの敬意と感謝を。
会を重ね、感性豊かなお客様と出会い、メイクイさんと木城さんと意識を超えた何処かで繋がる事ができる奇跡。
この奇跡に、心の底から湧いてくる感情をまとめると、『しあわせ』と言うのかな。
いつも、いつも感謝しかありません。
しあわせです。
ありがとうございました。
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黒の皿に盛られた菓子たちは、まるで武夷山の岩肌や、山々の様子を思い起こさせるものでした。
(写真は別に盛られたものです)
●酒粕ミルク/酒気を飛ばし、なめらかな舌触りの酒粕をミルクに溶かしたそれは、やわらかな甘味と温(ぬく)さにひとくち含むと、ふうっと、、何かが溶けゆく感じがありました。おなかが暖まりました。
●紫豆と金柑の寒天寄せ/日中は陽の射すことのない渓谷、朝霧の中に差し込むひとすじの陽の光が、そこに育つ茶葉にとって唯一の光。そのような風景が、半透明の寒天の中に閉じ込められているようすにどきどきしてしまいました。
●酒粕クッキー/香ばしさと硬めの食感と、岩肌を思わせるような風貌の酒粕クッキーは、武夷山の礫質の土壌を思い起こさせて。
●オールプルーン/焼く前もそうでしたが、焼いたらますます岩肌のような趣が。ざくざくと音を立てて食べたい。米粉とプルーンのクッキー。
●ザクロとポンカンのブリュレ/ザクロの実は赤い宝石のようです。甘いブリュレにザクロの甘酸っぱさがきゅうっとアクセント。この菓子が並べられた時、ちょうど淹れたての肉桂の香りとポンカンの香りが重なって、はっとする華やかで甘い香りに。
●ほうじ茶と柿のマカロン/アイスの状態の柿とクリームチーズの食感が不思議で、おいしくて、岩茶との相性はしっくり馴染んで。
●ザッハトルテ/チョコレートと岩茶の相性が良いのは知っているのですけど、隠れた杏子と柚子のジャムが岩茶の味香をさらに華やかにさせます。しっかりと、明るく、軽やかに菓子を受け取っていました。
隠居さんの菓子と、
木城さんの絵画と、
お茶と
わたしたちそれぞれが、自由に、楽しく、真剣に、
ひたすらに行って
持ち合うと、それらはまるで知っていたように、しっくりと重なり合い、
互いが互いを生き生きと魅せるような
それは奇跡のような嬉しい瞬間で
毎回同じではないのです、、
このような感覚になれることって、、とても幸せなことです。
お着物で来てくださったお客さま、、お部屋がふわりと華やかになりました。
ご参加いただいたお客様には、この茶縁に心から感謝いたします。
ひとつひとつを受け取っていただけるということはなににも代えがたい幸せです。
そしてお客様からいただいたご感想に、私たちがみつけられなかったものをあらためて発見できる思いがあります。
いただいた言葉はずっと大切にします。
ありがとうございました。
最後に
隠居さん、
木城さん、
ありがとう!!
し尽せないくらいの感謝の気持ちを込めて。